夏、蒸し暑い日が続くと、おむつ外しを意識し始める方も多いのではないでしょうか?
おむつ外しは、赤ちゃんの成長において重要なステップですが、どのように進めればよいのか不安に思う方もいらっしゃると思います。
今日はそんな「自然なおむつ外し」をテーマに、こどもの排泄サポートスペシャリストとして活動されている すーママさん にお話を伺いました。
こどもの排泄サポートスペシャリスト – すーママさん

すーママさん
こどもの排泄サポートスペシャリスト
3歳と1歳の2児の母。
看護師・保健師資格保有。
日頃はどのような活動をされていますか?
おむつ外し講座(親子の今が尊く楽しくなる心地よい選択〜おむつとの上手な付き合い方を通して〜)を地域での対面やオンラインでさせていただいています。
今の活動をするきっかけになった出来事はありますか?
3歳になった長女が新生児の頃。当たり前のように紙おむつを履かせていましたが、おむつを開いた瞬間に排泄をする姿やおむつを開くと足をばたつかせ喜ぶ姿、履かせようとすると嫌がって足で蹴ってくる姿、うんちをしているのがわかるのにそのままみているだけで身体にベッタリついたのを後から拭き取ることなどに違和感をもち、赤ちゃんにとっておむつとは?と考えるようになりました。
そこから、おむつを開く時間を作ったり、排泄のタイミングがわかる時はおむつを開いて排泄するなど、できるだけ娘が気持ちよく過ごせるような工夫をするようにしていました。SNSで調べてみると、それが「自然なおむつ外し(その当時はおむつなし育児という名称)」だったんです。
その後、「自然なおむつ外しアドバイザー(旧名称:おむつなし育児アドバイザー)」という資格があり、その養成講座の期限が数日後ということがわかり、これは!と導かれるように受講することに。我が子で実践しながら受講しているうちに、自然なおむつ外しが排泄やおむつ外しを超えてとても深い大切なことに気づかせてくれるもので、私自身自然なおむつ外しを通して育児がより楽しく楽ちんになったので、多くの人に知ってほしい!と思い伝え始めました。
自然なおむつ外しとは何ですか?

自然なおむつ外しについて、これを機会に一緒に考えていただきたいです。
「おむつ外し」と「排泄の自立」の違い
よく勘違いされますが、「おむつ外し」と「排泄の自立」は異なります。
「おむつ外し」は言葉の通り、おむつを外すこと。なので、おむつは大人が着けたので、外すのも大人です。つまり、年齢関係なく大人が決心すればいつでも外せます。主体は大人。
「排泄の自立」は、子どもが自分でトイレへいける、もしくは周囲の人に伝えて行ける、お漏らしをほとんどしないことを指します。主体は子どもです。
「おむつ外し」と「トイレトレーニング」
「おむつ外し」という言葉は現代あまり使われず、「トイレトレーニング(略称:トイトレ)」という言葉をよく耳にするのではないかと思います。
今では「◯歳頃になったらトイトレしてる?」等ママ友間での会話でもよく出てくるワードだと思いますが、私が子どもの頃には聞かれなかったワードだと思います。

私達が子どもの頃どのように排泄が自立していたかというと、それが私が伝えている「自然なおむつ外し」なんです。
自然なおむつ外しは昔は当たり前だった!?
昔話で出てくる子どもや写真を見ていると、きんたろうみたいにふんどしスタイルだったりすっぽんぽんのままおぶられていたりしますよね。昔は布も高価なもので使われていなかった家庭も多かったとか。
私自身が幼少期の頃には、市場に紙おむつは出回っていましたが、布おむつを使っていた家庭も多かったようです。紙おむつも今みたいに性能は万能ではなかった時代。環境も現代のようにコンクリートやアスファルトではなく畑が多かったり、公共のトイレも整っていなかったりで、庭先や川などで排泄をしていた子ども達も多かったとか。
世界的にみると今でもそのような環境下で育つ子は多く、その子どもたちは、昔の日本のようにもともとおむつも常用していないので排泄の自立が自然と進むんです。
つまり、紙おむつの普及と進歩により、おむつに頼る子が増え、それによって「自然なおむつ外し」ではなく「トイトレ」をする家庭がほとんどなのが日本の現状です。
すーママさんちのお家ではどんな風にされているのですか?


普段は状況に合わせて布おむつや紙おむつを使い分けて、プラスで自然なおむつ外しをしています。タイミングや表情、仕草などでそろそろ排泄しそうだなというタイミングで、おまるやトイレに掲げるだけ。低月齢だと寝ている状態なので、おむつを開くだけです。もちろんそのタイミングで出ない時もありますが、そうやっておむつを開く時間、おむつの外で気持ちよくスッキリ排泄する機会をできる時にできるだけ作っています。外でしてくれると、お尻にベッタリついたうんちを何度も拭く必要もないですし、おしっこも流すだけでおむつも汚れないので、こちら側も楽なんです。金銭面でも、現在ではおむつ代が子ども一人あたり20万円以上かかるとも言われていますが、赤ちゃんの「気持ちいい」を大切にする自然なおむつ外しは、そうした経済的負担を軽くするだけでなく、ごみの削減にもつながる、環境にもやさしい選択肢だと思います。
おむつ外れの年齢は年々上昇している?
2023年のある調査では3歳過ぎておむつが外れる子が88%。未就学児の親の悩みのなかでも、「排泄(おむつ外し、便秘、うんちだけおむつ、おねしょ等)」は上位に挙げられています。紙おむつの普及とともにおむつ外れの年齢は右肩上がりになっています。
紙おむつについてどのように考えていますか?
紙おむつは、優秀でとても助かるものだとは思います。でも、あまりに便利すぎて、漏れを心配することもなくなり、赤ちゃんの様子をじっくり観察したり、ちょっとした変化に気づいたりする機会が減ってしまっているように感じます。排泄してもすぐに交換しない方も多いようです。
そもそも、「赤ちゃんにとっておむつとは?」と立ち止まって考えてみると、赤ちゃんがいつどこで排泄をしても部屋一つ汚れない、大人にとっては本当に助かるありがたいもの。我が家も助けられています!でも赤ちゃんにとって快適なものかと言われると、必ずしもそうではないと思います。だからこそ、おむつを使っている理由をしっかりと理解した上で、付き合い方を考えていく必要があると思います。紙おむつは赤ちゃんのトイレではない!!そこは忘れてはいけないかと。
「自然なおむつ外し」とは気持ち良いに寄り添うこと
「自然なおむつ外し」とは、「コミュニケーションを通して、自然な排泄をサポートすることで気持ちいいに寄り添うこと」。つまり、排泄にとどまらず赤ちゃんとサポートする大人が一緒に“心地よさ”を見つけていくプロセスのことをいいます。
色々話してきましたが、おむつ外しに正解も失敗もないんです。
今まで何度も言ったように「気持ちいいに寄り添うこと」それだけなので。



特別なトイトレをしなくても、親子で心地よさを共有しながら過ごすことで自然と排泄の自立につながっていきます。
どんな方に伝えていきたいですか?
もうみなさんです!(笑)子どもに関わる人、高齢者と関わる人にもですね。おむつは子どもに限らず、介護でも使われるものなので。そして、心地よく生きたいのはどの方もだと思うので!話せない赤ちゃんといてもつまらないという方やおむつ外しはまだ早いと思っている方、おむつ外しに悩まれている真っ最中の方達には特に早急に知ってほしいです。
自然なおむつを外しをしていると、話せない赤ちゃんとのコミュニケーションが本当に増えて「おしっこしたの?」「おしっこしたいの?」「今はおむつ変えるより遊びたいのね」など、言葉だけではなくて仕草や表情、声のトーンなどでもやり取りができるようになるので、本当に楽しいですし、いつの間にか会話しているんです!そうやって五感と直感をフル活動して相手のことを理解しようとすると、目には見えない身体や心の声もよく聞こえてくるようになって、そのわかってもらえた、わかってあげれたという経験が、より双方の信頼関係や心の安心をも深めることに繋がっていきます。
最後に
「おむつ外しは悩むものではなく、赤ちゃんと一緒に楽しむもの。尊い今を大切に味わってほしい」
すーママさんの言葉には、そんな温かい想いが込められていました。
そんなすーママさんの講座は、随時Instagramで告知していますのでぜひご覧ください!







